20/11/22「インターネット利用と親子関係」
20/11/22 17:13 
▼タイトル
「インターネット利用と親子関係」

▼本文


今日の熊本市は曇り。
本日の最高気温は20℃を下回っていて、
ここ最近暖かかったので、
若干の肌寒さを感じます。
日曜日の午後のひと時、
皆様如何お過ごしでしょうか。

さて、
国立成育医療研究センターと国立青少年教育振興機構は、
小中学生のインターネット利用と親子関係の実態を
把握するために行われた調査データを利用して、
「家庭の状況」と「こどものインターネットの長時間使用」
との関連を分析しました。

国立青少年教育振興機構は2017年に、
『インターネット社会の親子関係に関する意識調査』を
国内の20都道府県の小学校5年生から中学校2年生までの
約2000名を対象に行いました。

@結果、
親子の会話中に親がスマートフォンなどを使用していたり、
家族が一緒にいても、
それぞれ自分のスマートフォンなどを使用していると、
こどもがインターネットを長時間使用したり、
睡眠不足になる傾向が見られました。
また、
家族と一緒にいて楽しくないと答えたこどもは、
休日にインターネットを長時間使用することが多い
ことも分かりました。

◎休日のインターネットの長時間使用(5時間以上)との関連

・あなたは家族と一緒にいるのが楽しいですか?
 〇楽しくない(44人):2.1倍
 〇あまり楽しくない(130人):1.8倍
 〇まあ楽しい(795人):1.6倍
 〇とても楽しい(960人):1.0(基準群)
 5時間以上インターネットを使用している人数は、
 楽しくない群はとても楽しい群の2.1倍いる。

・親(保護者)は携帯電話やスマートフォンを使用しながら私と話す
 〇よくある(183人) 1.6倍
 〇たまにある(819人) 1.4倍
 〇ほとんどない(1045人) 1.0(基準群)
 5時間以上インターネットを使用している人数は、
 よくある群はほとんどない群の1.6倍いる。

@睡眠不足の経験との関連

・親(保護者)は携帯電話やスマートフォンを使用しながら私と話す
 〇よくある(180人) 3.0倍
 〇たまにある(797人):1.5倍
 〇ほとんどない(1027人):1.0(基準群)
 睡眠不足の人数は、
 よくある群はほとんどない群の3.0倍いる。

@考察

*親のスマートフォンや携帯電話の利用の在り方が
 こどものインターネットの長時間利用や、
 こどもの睡眠不足と関連することが示唆された。

*家族との時間を楽しんでいないこどもは
 インターネットの利用が長くなる傾向も示された。

*こどもが適切にインターネットを使用する環境をつくるためには、
 親自身が携帯電話やスマートフォンの使用の在り方に
 注意を払う必要がある。

*家庭におけるインターネット使用のルール作りと
 家族全員の遵守の重要性が示された。

今回の調査対象が小学5年生から中学校2年生なので、
それぞれの活動(部活や習いごと、友人との行動など)があり、
常に保護者と一緒ではない、
親離れ・子離れに差し掛かる年代でしょうか。

そんな状況の中、
多くのこどもは家族と良好な関係が気付けていると思います。
しかしそうではないこどももいて、
インターネットに関心が向いていることが伺えます。
また、
親子の会話中に親がスマホを使用していれば、
親がどの程度こどもの話に耳を傾けているのか疑問だし、
こどもも話す意欲がなくなるのではないかと思います。

これまで様々な国で実施された疫学研究で、
インターネットの長時間使用が、
睡眠習慣や心の問題に悪い影響を
及ぼす可能性があると示されています。

各ご家庭で、
インターネットの使い方を話し合ってみましょう。