17/9/10「小児の肥満」
17/09/10 16:33 
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「小児の肥満」

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日曜日の午後、
皆様いかがお過ごしでしょうか。
日中は30℃を越す暑さです。

新学期がはじまり、
おこさんの生活リズムは順調でしょうか。
夏休み中はやや夜更かししたり、
一日中冷房の効いた部屋で
快適に過ごしていませんでしたか。

早寝・早起き
十分な睡眠
バランスのとれた食事をしっかりとる
適度に身体を動かす

保育園・幼稚園では、
秋の運動会に向けて練習が始まっています。

健康な身体作りの基本である生活リズムを整えて、
毎日を元気に過ごしましょう。

さて、
平成28年度の熊本県学校保健統計調査をみると、
5歳から17歳までの肥満傾向児出現率の県平均値は、
16歳以外は全ての年齢で全国平均を上回っています。

男女別にみると、
男子は15,16歳
女子は17歳
が全国平均以下でした。

小児肥満の専門の先生の論文から抜粋します。

・体脂肪の蓄積は3〜4歳頃に始まる。

・中学3年生で肥満だと、
 成人式の時点で半数から70%が肥満。

・中学生の時に肥満でないこどもが
 成人式の時に肥満である割合は約5%。

・3歳児健診時に1歳6か月健診時よりも
 BMIが上昇している場合は、
 12歳児に肥満やメタボリックシンドロームになる
 リスクが高くなる。
 *BMI=体重(s)÷{身長(m)×身長(m)}

・3歳児健診時に1歳6か月健診時よりもBMIが0.5以上増加し、
 かつ3歳児健診のBMIが17以上の場合には、
 12歳で肥満になるリスクは16倍高い。

・生活習慣病調査で、
 *朝食の欠食
 *夜型生活で睡眠時間が短い
 *座って長時間テレビやゲームをする
 これらの生活習慣が幼児期からの肥満形成に関係し、
 そのメカニズムも明らかになっている。

・朝食欠食、夜型生活で睡眠時間が短い場合は、
 食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌が少なくなり、
 逆に食欲を増進させるグレリンというホルモンが多くなる。

・身長が伸びている小児では、
 体重を減らす必要はなく、
 現状維持あるいは体重の増加度を小さくする。

・守らなければいけない生活習慣を幾つか挙げる。
 (一度に多く挙げると厳しいので)
 例)
  *朝食を食べた
  *学校以外で運動30分
  *清涼飲料水を飲まなかった など
 毎日それを守れたかどうかを〇×をつけて、
 それとともに体重がどう変化するか体重を毎日測定する。
 生活習慣を守れた場合、
 体重がどうなったかを本人が認識しながら生活する。
 =認知行動療法

小児期の肥満対策が、
将来の肥満予防にとても重要です。

ストレスから過食⇒肥満になる場合もあります。
また親子関係に問題がある場合もあります。

まずはできることを実践していきましょう。