16/12/10「こども虐待」
16/12/10 19:18 
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「こども虐待」

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12月7日の熊本市の朝の最低気温は1.2℃。
今冬の霜の初日を観測しました。
統計開始以降、
初霜の平年値は11月19日。
しかし2014年12月7日、2015年12月17日と、
近年はこれまでより遅くなっています。
これも地球温暖化、都市化の影響でしょうか。
とはいえ、
明朝の最低気温は2℃の予報ですので、
しっかり防寒対策を行いましょう。

さて、
平成28年9月に厚労省が報告した、
こども虐待による死亡事例等の検証結果から抜粋します。

平成26年4月から平成27年3月までの間に
厚労省が把握した
こども虐待により死亡した事例は44人、
心中による虐待死事例は27人。
死産児の遺棄事例3人。

*0歳が27人(61.7%)と最多。
 3歳未満32人(72.7%)と7割を超える状況。
 平成17年の第1次報告から今回の第12次報告まで、
 0歳が最多であった。

*0歳児の月齢は、
 0か月が15人(55.6%)と最多。

*死因となった虐待の類型は、
 身体的虐待;24人(54.5%)
 ネグレクト;15人(34.1%)
 心理的虐待;1人(2.3%)

*直接の死因は、
・3歳未満
 頭部外傷;8人(29.6%)
 頸部絞扼以外による窒息;7人(25.9%)
・3歳以上
 頭部外傷、外傷性ショック、頸部絞扼による窒息
 がそれぞれ2人。

*頭部外傷のうち、
 乳幼児揺さぶられ症候群は4人。
 動機のひとつに、
 「パートナー等の支援なく、児の体調不良等鬱積した思い」
 が挙がった。
 (第11次報告では、「泣き止まないことにいらだったため」が3人)

*主たる加害者は、
 実母;28人(63.6%)、実父3人(6.8%)

*加害の動機
 こどもの存在の拒否・否定;14人(31.8%)
 保護を怠ったことによる死亡;5人(11.4%)
 しつけのつもり;4人(9.1%)

*養育者の世帯状況
 実父母;19人(44.2%)、一人親;13人(30.2%)

*祖父母の同居あり;14人(34.1%)
 祖父母の同居が、
 必ずしも真の支援が得られていたとは限らない状況が示唆される。

*実母の心理的・精神的問題
・心中以外の虐待死事例
 養育能力の低さ;14人(33.3%)
 (こどもの成長発達を促すために必要な関わりが適切にできない)
 育児不安;12人(28.6%)

・心中による虐待死では、
 育児不安・うつ状態が8例ずつ(38.1%)で最多。

虐待は様々な要因が関連して起こると考えられます。
産後うつもその要因の一つと考えられています。

産後うつは、
出産後のホルモンバランスの急激な変化や育児不安、
社会的孤立など多様な要因から発症するうつ病の一種です。

厚労省の調査では、
出産後の発症率は1割程度で推移していて、
一般の人がうつになる率より高いそうです。

第12次報告では、
心中以外の虐待死の母の4.8%
心中による虐待死の母の9.5%
が産後うつでした。

現在エジンバラ産後うつ病自己評価票が、
スクリーニングテストとして定着しています。
あかちゃんがぐっすり眠っていて、
お母さんがリラックスできる場所、
リラックスした状態の時に、
この質問票に向かってみましょう。

うつ傾向の場合は、
迷わずに専門機関にご相談ください。
すぐに受診できない場合は、
信頼できる人に相談しましょう。
そして睡眠不足の場合が多いので、
できるだけ睡眠が確保できるように、
周りの方に応援を頼みましょう。