15/8/10「金属製容器」
15/08/10 23:22 
▼タイトル
「金属製容器」

▼本文


熊本市は8月5日以降連日猛暑日が続いています。
おまけに平均湿度は60〜70%と蒸し暑くなっています。
そして暑さ指数は31〜32と、
熱中症の危険レベルが続いています。
明日8月11日15時の暑さ指数の予測値は33。
過去1週間で最高となりそうです。
くれぐれもご注意ください。

さて、
熱中症予防の要の一つに水分・塩分補給があります。
お出かけの際に、
水筒に冷たい飲み物を入れて持参されることもおありでしょう。
またスポーツをしているおこさんに、
イオン飲料を水筒に入れて持たせることもあるかもしれません。

ただし注意すべきことがあります。
金属製の容器に酸性飲料を入れて保管した場合、
その金属成分が飲み物の中に溶けだして
中毒を起こすことがあります。

酸性飲料には主に、
炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料、スポーツ飲料があります。
飲み物に含まれる酸性物質としては、
炭酸、乳酸、ビタミンC、クエン酸(柑橘類などの果物に含まれる)
などがあります。

*中毒事例
朝7時半ごろにスポーツ飲料の粉末を水に溶かして水筒につめて、
その日の午後2時ごろまでそのまま保管していた。
そのスポーツ飲料を飲んだ6名が苦味を感じ、
頭痛、めまい、吐き気などの症状を呈した。
スポーツ飲料を調べたら高濃度の銅が検出された。

この水筒は保温のため二重構造になっていて、
通常は飲料に接しない二重構造の一部分に銅が使用されていた。

この事例の原因は、
水筒の内部が破損していて(一見して破損している様子はないが)、
スポーツ飲料を入れて長時間置いたことで、
破損部分から通常は飲料に接しない二重構造の内部に
酸性のスポーツ飲料が染み込み、
保温構造に使用されていた銅が溶出したためと考えられた。

金属製の容器や調理器具は、
酸性の食品や飲料に接触すると金属が溶け出すことがあり、
様々な工夫がなされています。
しかし容器に傷が付いていたり、
酸性飲料を長時間保管した場合に、
金属成分が食品・飲料に溶け出して事故につながります。
特に銅は多量に摂取すると中毒を起こします。

容器にサビや傷がないか、
特に落としたりぶつけたりした場合、
外見上異常がないように見えても破損していることがあります。
使用前には点検をしましょう。
そして、古くなった容器は定期的に新品に交換しましょう。

また酸性の飲み物を金属製の容器に入れる場合、
飲み物の中に金属が溶け出すことがあるので、
長時間の保管はやめましょう。

この暑い夏を、
安全な飲料水を補給して乗り切りましょう。