10/9/8「ある手記を読んで」
10/09/08 20:28 
▼タイトル
「ある手記を読んで」

▼本文


今、ある月刊誌の『愛着ときずな』を
テーマにした特集を読んでいます。
その中で、自閉症のおこさんの
お母さんの手記が掲載されていました。
そこには、対応の難しさや
親子の関係の悪循環に悩みながらも、
お母さんとおこさんの間で
愛着関係が次第に深まっていく様子が
つづられていました。
その手記のおわりの一部を抜粋してみます。

『がっかりしたり、落ち込んだりすることは
まだまだあるけど、何より、
以前よりたくさん私を頼って求めてくるから、
これが励みになって自信につながったんだと思う。
三歩進んでは二歩下がり、山あり谷あり。』

このことに対して、このお母さんとおこさんを
見守ってこられた先生のコメントを
一部抜粋します。

『〇〇(おこさんの名前)が心細くなった時に、
母親に甘えることで
次第にこころの安定(安心感)が
生まれていくことがわかるが、
それとともに、
母親自身も〇〇が自分に頼って
甘えてくることで、
次第に母親としての
揺るぎない自信のようなものが
育まれていく様子が伝わってくる。
母親はただ一方的に
子どもに安心感を与えるという
関係ではなく、
母親自身も子どもによって安心感を
与えてもらっているという関係が
そこには生まれているということである。』

心に余裕がない時に
おこさんが甘えてきたら、
この言葉を思い出していただければと
思います。