子どもたちの一部に、肌の接触やにおい、食べ物の味に異常に反応したり、
反対に極端に鈍感だったりする現象が見られるのも、
子ども期の“現実体験が圧倒的に不足”していることの当然の結果でしょう。
味覚も嗅覚も触覚も使うことによってしか発達しないのですから。
視覚同様“メディア漬け”の生活でも使っているかに思われる聴覚はどうでしょうか。
人工光線と平面画面が子どもたちの視力を大きくゆがめているのと同じように、
人工的な音とヘッドホンの多用は、聴覚の遠近感覚をゆがめたり、
せせらぎの音などの自然音を聴きとる鋭い聴力を失わせるという
聴覚の「劣化」が懸念されているのです。